ヘルシー志向のジェラート専門店が注目
ヴィーガンジェラートなど新たな選択肢として人気
香港ではジェラート専門店が相次いで出店し、特にヘルシー志向のジェラートが注目を集めている。2024年には、ジェラート業界で新たな動きが見られた。それは健康的な食材を使用し、伝統的なアイスクリームに代わる選択肢を提供する専門店の増加である。例えば、2024年にオープンした「Snack Baby」では、常時14種類のフレーバーのほとんどが乳製品や動物性食品を含まないヴィーガンメニューとなっている。また、シンガポール発の「The Ice Cream & Cookies Co.」は、香港人に人気のマンゴーやココナッツを使ったフレーバーを展開。アジアンテイストを取り入れたヴィーガンジェラートを提供し、天然甘味料のココナッツネクターを使用することで砂糖を40%カットしている。Mango Mochi Frozen Dessert(マンゴーフレーバー、13.95HKD=約258円/473ml)やTropical Coconut Frozen Dessert(ココナッツフレーバー、13.95HKD/473ml)などが人気。もともと香港で親しまれているマンゴーはジェラートでも人気が高く、世界的ブームの抹茶フレーバーも香港人に受け入れられている。コロナ禍を経て健康意識が高まった人々にとって、これらのヘルシー志向のジェラートは、食を愛する香港人にとって新たな選択肢として歓迎されている。
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ヘルシーな〆デザートとして定着
健康的な点がジェラートブームをさらに加速
元々、家族や仲間たちと大きなテーブルを囲んで食事をする習慣がある香港人にとって、パンデミック中の外食規制は、食を通じた繋がりを断つものであった。規制解除後、人々は再び食を通じた交流を切望しており、その中で多様な選択肢を提供するジェラートは、新たなコミュニケーションツールとしても機能していると考えられる。また、日本における「〆のラーメン」と同様に、香港には食後にデザートを食べる習慣、いわゆる「食後の〆にデザート」が深く根付いており、伝統的な香港スイーツが日常的に食されている。そのような背景において様々なフレーバーがあり、イートイン・テイクアウェイが可能で比較的安価なジェラートは一年を通して温暖な気候の香港において、人々に受け入れられやすい要素を多く持っている。さらに、ヘルシーなメニューを提供するジェラート専門店が登場したことは、健康意識の高い香港人のニーズに合致し、このジェラートブームをさらに加速させる要因となっていると考えられる。