コーヒーのモカのような深みのある色合いで
ガールズグループI.O.Iの元メンバーが火付け役
2025年春、韓国のメイクアップシーンに新たな潮流が到来する兆しを見せている。その中心にいるのは、元I.O.Iメンバーのチョンハだ。彼女が2月にカムバックした際に披露した「#헤메코」(ヘア、メイク、コーディネート)ルックスが、SNS上で大きな話題を呼んでいる。特に注目を集めたのは、世界的カラー見本企業「パントン」が2025年の象徴色として発表した「モカムース」(コーヒーのモカのような深みのある色合い)を、韓国アイドルらしいチークとアイシャドウに巧みに取り入れたメイクアップだ。SIDMOOLのJojoba Lip Essence (3,800ウォン)やTONYMOLYのCheek Tone Lip and Cheek Duo Balm 04 (20,000ウォン)この洗練された色使いは、若い女性を中心に熱狂的な支持を得ている。
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20代の大学生からは、「この色を使うと、ぐっと高級感が出る」「なんだか大人っぽくなった気がする」「アイシャドウの色合わせが難しそうだけど挑戦したい」「ファッションも少し落ち着いた色味にシフトした」といった声が聞かれる。「モカムース」は一般的に秋のウォームトーンカラーに分類されるが、チョンハのメイクの影響力により、季節を大幅に先取りしてトレンドの最前線へと躍り出た。
メイクアップにおけるトレンドにとどまらず
ネイルやヘアカラー、インテリアなどへ波及
従来の韓国メイクといえば、ブルべ夏やイエベ春に代表されるような、爽やかで抜け感のあるライトブルーやピーチといった色味が主流であり、水光肌に代表されるツヤ感のある肌表現が基本であった。2024年のトレンドカラーはピーチフィズであり、その流れを引き継ぎつつも、2025年は「モカムース」という深みのあるカラーが注目されている。これは、従来のツヤ肌のベースに、上品さや落ち着きといった要素をプラスしたメイクへの関心の高まりを示唆している。
メイク系ユーチューバーの動画では、いかにチョンハのメイクに近づけるかというテーマの動画が多数投稿されており、チークの最適なモカムースの色味や、アイシャドウの配置方法などが熱心に研究されている。パーソナルカラーがイエベ秋ではない視聴者に向けて、似合うモカ色の選び方や、ブルべでも取り入れやすいモカ色の提案など、きめ細やかなアドバイスも多く見られる。
これらの動画を見たZ世代が、こぞってモカムースメイクの練習に励んでいる状況が窺える。韓国大手ドラッグストア「オリーブヤング」では、既にモカ系のコスメ製品が品薄状態となっており、テスターの減り具合も他のカラーと比較して早いという。このトレンドはメイクアップにとどまらず、ネイル、ヘアカラー、さらにはインテリアといった幅広い分野に波及し、「モカムース」があらゆるシーンでZ世代の目に触れる機会が増えそうだ。