持続可能なリサイクル素材「Nike Grind」を使用
2021年6月、 Nike香港が中古スニーカーを基にしたリサイクル素材「Nike Grind」を20,000足分使用して、誰でも自由に使える公共のバスケットコート「Shek Lei Grind Court」をオープン。郊外のベッドタウン葵涌地区で小中高校14校が密集するエリアにあるショッピングセンター「Shek Lei Shopping Centre」の屋上に位置し、コートのデザインはイギリス人アーティスト、ジェームズ・ジャーヴィスが担当。「Nike Grind」は、製造過程で発生するスクラップや売れ残った製品、履き古したスニーカーなど廃棄される物をリサイクルした素材になり、アパレルからスポーツ施設まであらゆる用途に再利用されている。
デザイン性の高いコートで若者のスポーツ参加を促進
Nikeは2019年から、パリ・北京・メキシコシティで「Nike Grind」を使ったスポーツ施設を誕生させている。香港の都市部は世界でも有数の人口密度で、地価も高騰しており、子どもたちが自由に使えるスポーツ施設を十分に備えることが難しかった。このプロジェクトは若者のスポーツ参加を促進する非営利団体「Inspiring HK」とのコラボレーションで実現した。若者の間で人気が高いNikeのスニーカーによる「再利用」と「社会貢献」ということで大きな話題となった。
また、近年はアジアにおけるモダンアートのハブとして機能している香港では、ストリートアートが政府主導で導入されているなど、アートを生活の一部にするという流れができている。有名なアーティストとコラボしたデザイン性の高いコートも、現在の香港カルチャーが反映されている。