ソフィア・クレスポや大悲宇宙など
国内外のデジタルアートを展示
2021年10月、上海市郊外の工業エリアにオープンした「艾厰人工知能芸術中心」は、世界初のAIを使ったアートを扱う美術館。2022年4月まで開催中のオープニング企画展では、ソフィア・クレスポ、ジェイク・エルウィス、大悲宇宙など国内外のデジタルアーティスト作品を展示。モニターに表示される何通りもの色彩や形をAIが選んでいるため、いつ来ても違う作品になっているものや、見学者のスマホと連動したメッセージが出る作品など、これまでにない表現のアート作品を楽しむことができる。建物は、90年代まで周辺の工場にエネルギー供給をしていた建物で、煙突や煉瓦造りの炉のようなものが崩れたり蔦が絡まったままリノベーションされている。
廃工場をリノベした美術館
最新アートとのギャップが話題
大悲宇宙など中国国内でもデジタル技術やAIを使うアーティストが登場しており、Z世代の注目を集め始めている。日本のチームラボは上海市内に専用ミュージアムを所有しており、安定した人気を得ているが、ほかのアーティストの作品は展示していない。また一般的な美術館では、AIアートを展示するための設備や専門のキュレーターなどの問題もあり、AIアートの展示が進んでいなかった。このような中、「艾厰人工知能芸術中心」は、アートを通して「AIとは何か」を学べる施設でもあり、デジタルやIT初心者にも需要があった。廃墟のような外観や、作品とともに映える写真が撮れる場所など、SNSで話題になりそうな場所は常に求められている。廃工場のような古めかしい建造物の中に最新アートが展示されているというギャップも話題。ほか、地元アーティストのスタジオや人工知能実験室なども擁している。