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安全か戒律か? デジタルが越えられない宗教問題

インドネシア
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集団礼拝を戒律として定める
イスラム教派も

COVID-19の蔓延を防ぐためには、人々の集合を避ける必要があるが、宗教活動で問題が生じている。キリスト教では多くの教会でオンライン礼拝が実施されており、教会に人が集まる姿は見なくなった。しかし、イスラム教は「集団礼拝」を戒律として定めていることもあり、社会制限とのバランスが難しい。
ジャカルタでは、2020年9月より再びロックダウンに近い形での社会制限が敷かれている。宗教活動についての基本方針としては「住宅地にある宗教施設は定員の半数であれば利用してよし」ということになっている。オフィスエリアや感染者の多い「レッドゾーン」では閉鎖を命じているが、地域に根付いた宗教施設については「地域宗教団体の判断に任せる」ということだ。オフィスは稼働人員25%以下と規定されており、宗教施設よりもある意味で厳しい措置になる。


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感染リスクを回避するより
戒律に従うことを重視する人々

インドネシアでは宗教と政治判断は切っても切り離せない。人々の生活に宗教が密着している以上、あらゆる部分で宗教、特にマジョリティのイスラム教を考慮した判断が下される。「礼拝も完全にオンラインに切り替えればよい」と考えられる部分もあるが、ムスリムを中心とした多くのインドネシア人は「感染リスクの回避」より「戒律に従うこと」を重視するように感じる。あらゆるもののデジタル化が進み、今では聖書もコーランもアプリで読むことができる。それでもデジタルが越えられない一線というものがあるのだろう。

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