タオルケーキやPasta Chocolateなど
思わずシェアしたくなる商品が数多く登場
2025年春、韓国のコンビニエンスストアスイーツ市場は、SNS発のトレンドを迅速に商品化する動きが活発化し、競争が激化している。中国SNSで話題の「タオルケーキ」は、アイドルNCTの投稿動画を機に韓国で人気となり、モッパン動画を通じて広まった。2025年1月にはCUが先行販売し、 20代女性を中心に「シェアしやすい」「クリームが多く満足感がある」と好評を得て、予約完売する店舗も出た。
一方、ライバルであるGS25は2月、「Pasta Chocolate」(1個3000ウォン)というユニークな商品を独占発売。皿に見立てた容器に、タリアテッレ状に成形したマシュマロをダークチョコレートでコーティングし、ココアパウダーをトッピングした斬新なデザートだ。購入した20代の女子大学生は、「もっちりした食感がチョコレートなのに不思議」「付属のフォークは使わないけれど、手で食べてもベタつかないのが嬉しい」とコメントしている。この「Pasta Chocolate」も、一部店舗限定での販売であり、オンライン通販サイト「クーパン」では3個セットで高値で取引されている。
GSリテール加工食品チームのイ·ジンウMDは「最近ヒット公式を全て備えたパスタ型チョコレートを企画しコンビニ単独で披露することになった。ラインナップを拡大し、より爆発的な販売量を記録しているスイートミックスゼリーと共にGS25を代表するデザート商品に育成していく方針」と話した。今後も他店舗と差別化された商品の発売に注目だ。
コンビニ各社によるSNS発のトレンドを
迅速に商品化する動きが活発化
コンビニエンスストア業界は、生き残りをかけ、テーマ型店舗の展開や料理人、有名人とのコラボレーション商品の開発など、様々な戦略を打ち出してきた。ドバイチョコブーム以降、特に顕著になっているのが、独自性の高い商品を開発し、SNSでの話題性を創出し、それを牽引力としてヒット商品を生み出す戦略である。しかし、SNSのトレンドは移り変わりが早く、たとえヒットしてもそのブーム期間は長くても3~4か月程度と言われている。そのため、独自商品の開発に時間をかけることは難しい現状がある。トレンドに敏感な10代20代は、一時的に「流行アイテム」を経験すると、すぐに次のトレンドへと移行する傾向が強い。この世代の消費者の間では、海外のトレンドや、斬新な形状といった「新しい経験」を追求する商品トレンドが拡大しており、コンビニエンスストア各社は、そのニーズをいち早く捉え、差別化された商品を提供していくことが、今後の成長の鍵となると言えるだろう。