買い出しは一家にひとり
スーパーで困惑する男性が続出
マレーシアでは2020年3月18日以降、COVID-19の感染を抑制するため、必要最小限の買い物と医療を除き、外出が原則禁止になった。食料や生活用品の買い物でも出かけられるのは「一家でひとり」と定められたため、食材の買い物に慣れない男性が出かけて、妻や母親に頼まれたものを買い間違えるという珍騒動が続出した。買いたいものがどのコーナーにあるのかわからない、野菜の区別がつかない、どのくらい買ったらいいのかわからないと困惑する男性陣を支援するため、サバ州政府やスーパーマーケット、有志の個人などが、イラストや写真入りの野菜ガイド、肉の部位とその名前をまとめたものなど、各種の買い物ガイドを公開して話題を呼んだ。
人種や教育程度によって
男女の家事分担比率が変わる
当初出かけられるのは「家長」と報道されたため、多くの家庭で男性が買い物に出かけた(後日、女性でもよいことが判明)。家事分担は、居住地域や教育程度によっても異なるが、一般に、都市住民で教育熱心な中国系は共働きが多く、男性の家事参加率も高い。その一方、子だくさんで家庭を重視するマレー系は、専業主婦が多いといわれている。インド系は専門職に就く高学歴女性と、専業主婦の両方が多い。専業主婦のいる家庭では、普段男性が買い物をする必要がなかったことから、今回の外出規制で食材選びに初挑戦することになり、違うものを買ったり、使いきれない量を買って帰るなど、家庭での悲喜劇が巻き起こった。