ペットボトルとアルミ缶の回収が可能
Klean端末機は全国各地に増加中
マレーシアでは「Klean (クリーン)」という自動販売機のようなリサイクルポイントシステムの端末機が多くの人に利用されている。利用者がペットボトルやアルミの空き缶などを端末機に入れると、リサイクル品として自動的に選別され、キューブ状の形態に減容される。それにより運送台数を減らすなど効率よく運搬できるためCO2削減につながるとも言われている。Klean端末機は、インターナショナルグローバルグリーンタグ(Global GreenTag)という承認も取得している。また事前にアプリ「KLEAN the World」を登録することで、回収ごとにポイントが付与される仕組みになっており、1個の容器を入れ、スマホでQRコードを端末にかざすと10ポイント付与される。100 ポイントは1リンギ(約33円)として電子マネーに交換できるほか、交通電子マネーカードの「touch N Go」、「Grab」 、通信会社のTM、ガソリンスタンド、アマナサハム(信託銀行)などのポイントににも変換することができる。貯まったポイントは専用アプリ「KLEAN the World」による管理も可能だ。現在クアラルンプールやその郊外周辺のガソリンスタンド、大学校内、ショッピングモール、主要駅、一部の住宅区域内、公共施設、など44か所に同システムが設置されている。「ゴミ箱の代わりに端末機がどこにでもあったら、みんな使う」とZ世代にも受け入れられている。現在主に展開しているのは、ペットボトルとアルミ缶で、収入可能数は700個。2025年にはプラスチック容器も投入可能な端末機が設置される計画で、その端末機では1,500個のプラスチック容器が収入可能になる予定だ。最終的には全国各地に5,000台の端末機を設置することを目標としている。
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サーキュラーエコノミーの実現に一役
マレーシア人のエコ意識向上に繋がる
2022~23年の統計によるとマレーシア人のリサイクル行動率は33.17%で、国は来年2025年までには40%を目標に掲げている。その一方で、国内清掃管理条例では各家庭の生ゴミとリサイクルのできる資源ごみを分別して出さなければいけないと規定しているものの全国で統一されていないのが現状であり、マレーシア人のエコ意識・環境、リサイクルへの取り組みは、これまでなかなか根付いてこなかった。また外食の代わりに、テイクアウトで購入し食べた後に容器を捨てるという際にしても分別をあまり気にしないどころかポイ捨ても多くあった。しかし、こうした端末機の設置が、多ければ多いほど、人々は飲食後にすぐ端末機へ容器を入れることができ、さらにポイントが得られるので利用する人が増えている。食べ残しはどうするのかなどの課題はまだありつつも2018年の設置開始から一般的に広まっている。
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