余分な油を使わないため手軽でヘルシー
富裕層からの支持が高い「エアフライヤー」
2020年のCOVID-19の感染拡大以降、家で簡単においしい料理を作ることができるクッキング家電の需要が増えている。特に人気なのが、食材の持つ油を利用してフライやグリルを作ることができる「エアフライヤー」だ。フィリピンの家庭でよく作られる「フライドチキン」や「ルンピア」(春巻き)などの揚げ物を、油を使わず作ることができるため、手軽で、ヘルシーで、おいしいと健康志向の富裕層の間で人気になっている。
また、一台で煮込む、炒める、蒸すなど7つの調理ができるマルチ電気圧力鍋「Instant pot」も人気だ。アメリカでマルチクッカーのシェア1位をほこるInstant potは、7,000ペソ(約15,000円)からの価格帯で比較的高価ではあるが、6L以上の大容量のものが売れ筋になっている。豚や鶏肉と玉ねぎを醤油とお酢ベースで煮込んだ家庭料理「アドボ」や、タマリンドという酸味のあるスープで野菜をたっぷり煮込んだ「シニガン」など、フィリピンの伝統的な煮込み料理との相性が良い。
料理を始めたばかりの人でも
手軽に扱えるところが人気の理由
COVID-19によるロックダウンなどの規制で、レストランでの外食ができなくなった結果、フードデリバリーの需要と共に、自宅で料理をする人が増加した。自宅で過ごす時間が増え、3食を自宅で食べるようになった事で、これまで外食中心だった単身のビジネスマンまでもが料理をするようになったという。料理に慣れていない人も、クッキング家電を使うとスイッチひとつで手軽に料理を作ることができるとして、料理を始めてまもない人を中心にニーズがある。