食・飲料

健康志向と法規制の影響で高まるシンガポールのノンアルコールドリンク需要

シンガポール
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ビールだけでなくウイスキーやジンなど
本格的なノンアルコール飲料が数多く販売

近年、シンガポールではノンアルコールドリンクが人気を集めている。その背景には、健康意識の向上や飲酒運転、アルコール依存症などの問題への関心が高まっていることが考えられている。ノンアルコールドリンクは、ビールだけではなくウイスキー、ジン、ワインなど多岐に渡って販売されており、いずれもアルコールは入っていないのにも関わらず、酒の味に近い風味が再現されている。リトル・インディアにある大型スーパー「ムスタファ・センター」には、輸入されたノンアルコールドリンクが多数置かれている。 スペイン産ノンアルコールウイスキー 「Whissin」(700ml)は、エスパーダフォル社製造。大麦、トウモロコシ、小麦がブレンドされている。ウイスキーに代わるアルコールフリーの代替品で、そのまま飲むのはもちろん、モクテル用のベースとしても最適。他にも、ジンやワインなどがあるが、瓶の形やエチケット(ワインのラベル)もアルコールドリンクと見分けがつかないデザインを採用している。

酒類の販売規制や罰金などから、若者の間では
飲酒気分を味わえるノンアルコール飲料が人気

シンガポールは規則と刑罰が厳しく、飲酒に積極的な国ではない国となっている。レストランやコンビニでは、酒類の販売は22時30分で終了となり(特別な許可を得ている一部の店舗は例外)、22時30分以降に公共の場での飲酒は罰金を課せられる。クラブが集まるピンポイントのエリアを除いて夜の街がアルコールと共に盛り上がるという光景は他国に比べて少ない。街の中で泥酔している人に出逢うことはほとんどなく、夜11時以降のMRT(電車)は、空いていることが多い。このような経緯で、飲酒の気分を味わいながらも、法律に触れることのないノンアルコールドリンクに需要がある。コロナ禍でステイホームの状況になった時には、アルコールの売り上げが上昇することはなく、健康食品が売れたという統計も残っている。