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フレーバーやパッケージなど飽きさせない仕掛けが魅力的!?年々洗練された月餅が販売されるシンガポール

シンガポール
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中秋の名月に向けたギフトとして定番の月餅
薔薇や抹茶など様々なフレーバーの商品が登場

中秋の名月に向け、シンガポールの各ホテルでは8月上旬から月餅(mooncake)の販売がスタートした。同国のショッピングモールに店舗が入っていることが多い「GODIVA」では、「Mid Autumn Collection2023」として72SGドル(約7,850円)からギフトボックスを販売。オリジナルのチョコレートと共に様々なフレーバー(薔薇、抹茶、マンゴー、ライチ、黒トリュフなど)をプラスした月餅の両方を楽しめる。また、月餅とチョコレートを6箱詰め合わせた「Gift Basket (通称:Hamper)」は、439SGドル(約48,000円)と高額だが、シェア文化のあるシンガポールでは好まれるギフトとなっている。シンガポールで販売される月餅と日本の月餅とでは異なる特徴が二つあり、一つ目は欧米系のメーカーが月餅の外観をしている洋菓子を販売しており、二つ目は各ホテル・店舗の月餅のパッケージデザインが人気の要素にもなっており、カラフルな缶やBOXをコレクションするファンに向けて毎年デザインを変えて販売している点である。月餅を食べ終わった後は、ジュエリーを入れることが出来る引き出し付きのBOXなどがあり、広告には月餅と共に時計や宝石が写り込んでいる。五つ星ホテル「Capitol Kempinski」では、2023バージョンとしてショルダーバッグに入った月餅を発表した。

若い世代の間ではスノースキンと呼ばれる
薄い求肥に包まれた月餅が人気

シンガポールにおける月餅は単なる季節のお菓子ではなく、ビジネスで世話になっている相手に贈ったり、親戚同士で交換しあったりするコミュニケーションツールとしての役割もある。伝統的な月餅は、日本の中華街でよく見かけるベイクドタイプの月餅の中に、塩漬けにしたアヒルの卵が入ったもので、特に高齢者には定番人気。ここ数年は、スノースキンと呼ばれる薄い求肥に包まれたタイプが特に若い世代に人気があり、半冷凍の状態で販売される。中身は小豆や胡麻餡ではない場合が多く、ドリアンペーストであったり、ホイップクリームとクッキー生地など多種多様。
スノースキンの流行を最初に作ったのは「ラッフルズホテル」で、シャンパーニュ風味のスノースキン月餅を発売したことから広く知られることとなった。また、月餅の詰め合わせの価格としては、100SGドル(約11,000円)前後がボリュームゾーンで、物価が高いシンガポールにおいてもちょっとした贅沢品である。また、インスタグラマーの間では「今年の月餅はこちら」と写真をアップすることで豊かな暮らしを示す傾向も生まれてきている。