耐久性や光沢がある
トーントゥンの葉を使用
タイの北部で落ち葉をお皿に再利用する取り組みが広まっている。2020年にタイ北部のチェンマイで創業した「Nai Suan」は、葉の形を活かしたり、トウモロコシの皮や竹細工などを組み合わせたなど、デザイン性の高い使い捨て容器を販売し、30代前後の若い女性に人気が出始めているブランド。使い捨て容器は1枚約6バーツ(約22円)で販売されている。ブランドは長く使ってもらえる商品づくりに力を入れていて、竹細工などを施したものは50バーツ前後(約182円)、手描きの絵が入ったものは1,000バーツ(約3,640円)前後など。食器だけでなく、ジュエリーや小物などを載せるトレイなども手掛けている。カフェやスパで導入する店舗が出てきてたことで、若い女性からインテリアとしても人気になってきている。タイ北部にしか生育していないフタバガキ科「トーントゥン」の葉を使用しており、30センチ前後の大きな葉で、昔から屋根に使われるなど耐久性に優れ、光沢もあり、見た目も良く、お皿に利用するには最適だという。
山焼きや焼き畑による
煙害対策としても注目
タイ北部では乾季(11月頃~5月頃)になると、山焼きや焼き畑によって煙害が深刻になる。また乾燥しているため、自然発火による火災も発生しやすい。チェンマイは盆地に煙が溜まってしまう地形になるため、3~4月は大気汚染指数が世界ワースト1位になることも多い。山焼きを禁止する地域もあるが、山焼きをした方が高級キノコの「ツチグリ」が多く取れると信じられており、隠れて山焼きをする人が後を絶たない。また、トーントゥンの木の近くにツチグリが生えると言われていることもあり、煙害のもととなるトーントゥンの落ち葉を村の人に集めてもらい、それを5枚1バーツ(約3.6円)で買い取っている。村人にとっては収入になり、商品自体も煙害対策としても、環境に良いということで、自治体からも注目を浴びている。