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2015年アセアン・トレンドランキング ~ベトナム編~

ベトナム
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近年は5%以上のGDPの伸び率を継続(出典:IMF) 、経常収支も黒字となり、今後も安定的な経済成長を続けるいわれるベトナム。今回はホーチミンとハノイでリサーチを行いました。海外からの投資が集まり、建設ラッシュが起こり、ショッピングモールや近代的なマンション、ホテルが軒並みオープンを続ける、ベトナムのランキングをお届けします。

 

 

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盛り上がるウェブコミックシーン、牽引するのは「コミコラ」

 
2014年末に登場したウェブサービス「コミコラ/Comicola」はベトナム人の若手マンガ家たちの作品が無料で読むことができるため、若者を中心に急速にユーザーを拡大した。さらに「コミコラ」ではクラウドファンディングも導入。読者が気に入った作品に出資し、多くの支持を得た作品は出版デビューのチャンスを得ることができるというもの。支援するファンとともに作家が育っていくモデルを確立した。人気作品は「血液型O」、という学園ストーリー。

トレンドの背景

「コミコラ」のユーザーである10~20代の若者は「ドラえもん」や「ワンピース」など日本のマンガを読み成長した層である。以前からベトナム国内の人気マンガ家の登場を求める声はあったが、既に流通している日本のコミックとのレベルの差や、出版をするための経済的な敷居が高く、漫画家を輩出する素地がなかった。そんな中、気軽に自分の作品を発表できる場として「コミコラ」が登場し、マンガ家を志す若い作家達に火をつけた。ベトナム人がベトナム人に向けて描いたストーリーは支持を集め、今後はヒット作が多く生まれる可能性を秘めている。

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成長を続けるベトナム経済の象徴「高級ラウンジ」

 
いまのベトナムのナイトシーンで多くの若者が集まるのは、大音量で音楽が流れ、ダンスができるスペースのあるラウンジ。金曜日の夜ともなると、仕事の同僚や友達とルーフトップの高級ラウンジや、一晩中楽しめるクラブに多くの人が詰めかける。何人かの若者に話を聞くと、ラウンジでの平均使用額は1日、1人当たり100万VND(約5,500円)程度と、現地の物価を考えると気軽に行ける金額ではないが、連日多くの若者で賑わっている。ホーチミンでは「LUSH」、「FUSE」、「Vuvuzela」などが人気のラウンジとなっている。

トレンドの背景

こうしたラウンジを利用するのは主にアッパーミドル層~富裕層である。会社の同僚と仕事帰りに立ち寄る場所として、また裕福な若者は仲間との交流の場所として、そして出会いの場所として利用している。
経済が成長を続け収入が増えていくことで、自分のステータスを示す場所として利用されている他、ストレス解消の場として今後も店舗数を増やしていくと思われる。

外資系の進出によるシアトル系カフェブーム

 
外資系の飲食チェーンの展開が少ないベトナムにおいて、ローカルのコーヒーチェーンが長年トップに君臨していたが、2013年の「Starbucks Cofffee」の進出を機に、外資企業によるシアトル系カフェブームが起こっている。世界25カ国に店舗展開している「The Coffee Bean & Tea Leaf」 は、ホーチミン13店舗、ハノイ2店舗、「 Dunkin’ Donuts」ホーチミン10店舗、ハノイ3店舗に展開中。いずれも利用者はアッパーミドル層~富裕層で、普段使いよりも休日や週末に利用する人が多い。

トレンドの背景

コーヒー生産世界第2位を誇るベトナムでは、路上店から高級店まで至る所にカフェが点在する。特に国内系カフェ「HIGHLANDS COFFEE」や「TRUNG NGUYEN COFFEE」などが根強い人気を誇る。ベトナム政府は、個人商店を保護する政策を打ち出しており、外資の進出には規制をしている。しかし、ベトナムの消費市場の拡大から外資系カフェチェーンの進出が相次ぎ、こうしたブームを起こしている。

車所有者の増加から、車両保険への関心高まる

 
バイクが主な交通手段であるベトナムでは、2014年に交通事故で亡くなった方は8,996人(日本は約4,000人)、負傷者は24,417人にも及ぶ。実はここまで事故が多いにもかかわらず、バイクの自賠責保険(強制保険)への加入率は20%程度であり、事故をした場合に相手からの保障は期待できない場合が多い。そこで車を所有する人の間では自賠責保険に加え、対物・対人賠償責任保険(任意保険)の加入者が増えている。
なおベトナムでは、生命保険の加入率も低く、ローカルの車保有者にヒアリングをすると、自分が病気や怪我をすることに比べ、自動車の方が価値が高く生命保険よりもまずは自動車保険が大事だという。

トレンドの背景

税率が高く、自動車は一般の生活者には高嶺の花だが、販売台数は順調に伸びており、2015年11月の販売台数は前年比86.2%増の約3万台に達し、今後も堅調に成長を続けると予想されている(出典:ベトナム自動車産業界)。
それに伴って自動車保険に加入する人が増加している。今まで保険に対する関心を示す人が少なかったが、事故などのトラブルになることが多く保険に対しての意識が急速に高まっている。国内では「Baoviet」が大手で生命保険、車、住宅保険などすべての保険を取り扱っている。

インター校や留学などに関心が高い親の増加

 
留学を経験した親や外資系企業で勤務する富裕層の子どもを中心にインターナショナルスクールという選択肢が出てきている。ハノイにある「Hanoi Internationalschool」では約35カ国の生徒が学んでいる。また、日本語学校や留学支援サービスの利用者も増加傾向にある。さらにインターネットの普及に伴いオンライン学習を利用する人も多い。留学支援を行うエージェントでは留学生がベトナムに帰国してからの就職支援も行うなど、きめ細かいサービスを行うなど海外に目を向けたサービスに熱い視線が注がれている。

トレンドの背景

これまで欧米などが定番の留学先だったが、近年特にベトナム北部・中部地方から日本に留学する学生が急増している。理由としてマンガやアニメをきっかけに日本文化に興味を持った若者の増加、待遇が比較的良い日系企業の進出加速の動きなどがあげられる。早期教育を考える富裕層の親はインターナショナルスクールに通わせたり、習い事として英語や日本語を学ばせるなど教育熱は年々高まりを見せている。


 

 

■強い外資系チェーンへの憧れ。一方で個性を求める動きも

今まで憧れていた「Starbucks Cofffee」や「McDonald‘s」が2013年以降相次いでベトナムに進出し、ハレの日のデートや、トレンドスポットとしてマスには急速に生活に浸透した。しかし他国に比べ遅れた外資系企業の進出により、海外在住経験者や外国人と交流を持つ、情報感度の高い層は、こうしたシアトル系カフェではなく、既に独立型の本格的なカフェを好む傾向がある。

■経済成長の象徴、ナイトシーンの「ラウンジ」・「バー」・「クラブ」

今回TOP2に「高級ラウンジ」がランクインしたが、より手軽に利用できるBeer Barや、クラブなどが近年数を増やしており、中間層でも足を運ぶことができるシーンが増えつつある。こうしたベトナムのナイトシーンに共通しているのは「大音量」と、「ビール」と、そのシーンを楽しむ「仲間」が居ること。日本のバブル時代のディスコブームにも近い様相はエネルギッシュなベトナムの象徴であり、2016年も引き続きこの現象は続くと思われる。

■ベトナム人らしさ(アイデンティティ)が2016年のキーワード

No1の「コミコラ」はベトナム人のマンガ家が、ベトナムらしい作品を公開することで、自国のアイデンティティを表現することがトレンドの要因と言える。経済成長を続ける中で、今後さらに、アイデンティティや伝統回帰を求めるムーブメントが起こると考えられる。

 

TNCアジアトレンドラボでは、こうした動きを2016年も引き続きウォッチしてまいります。他国のトレンドランキングの更新もどうぞお楽しみに。



 

■調査概要調査方法:TNCアジアトレンドラボ、現地ボードメンバーを中心としたグループインタビュー、およびライフスタイル・リサーチャーによる定性調査

調査時期:2015年11月

調査対象者:ホーチミンに5年以上居住する男女、かつアッパーミドル以上の生活者、10代後半~20代前半の、トレンドに敏感な層

調査実施機関:株式会社TNC(http://www.tenace.co.jp/)および海外協力会社


■株式会社TNC

各国の高感度層で構成される現地ボードメンバーと共にグループインタビューやリサーチを定期的に行い、ウェブサイトで情報発信や分析を行う『TNCアジアトレンドラボ』を2015年8月よりサービス開始。また70カ国100地域在住500人の日本人女性ネットワーク『ライフスタイル・リサーチャー』を主軸とした海外リサーチ、マーケティング、PR業務を行う会社です。現地に精通した日本人女性が、その国に長く暮らさないとわからない文化や、数字に潜む意味をひもとき、日本人が未だ知らない斬新なモノやコトを探すインバウンズ、日本企業が進出する際のベースとなるリサーチ・アウトバウンズや、現地の人たちの暮らしぶりや生活習慣のレポートから、海外におけるヒント探し、市場レポートなど幅広く対応します。また、レポートに基づいた視察のアテンドも行っております。


■問い合わせ先

株式会社TNC TNCアジアトレンドラボ編集部 木下・濱野

TEL:03-6280-7193 FAX:03-6280-7194

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