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【現地取材レポート】 Trend Express City SEOUL ASEAN諸国のトレンドに影響力 ソウルの最新トレンド

韓国
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日本ではいわゆる“韓流ブーム”が一段落して久しい今日、ASEAN諸国に目を向けてみると韓国の存在感は以前にも増して高まっています。K-POPや韓流ドラマをはじめとするコンテンツやコスメ、ファッション、SAMSUNGなどの家電製品に至るまで、様々な領域に大きな影響力を持っています。韓国は欧米のトレンドを幅広く取り入れて吸収し、自国風にアレンジして展開します。そのスピード感と柔軟性が、次々と新しいトレンドを生み出す強みとなっています。そして、ソウルのトレンドはインターネットやSNSを通じて瞬く間に流行に敏感なASEANの若者たちへと波及し広がっていきます。つまり、ソウルのトレンドを読み解くことで、今後のASEAN諸国の潮流が見えてきます。韓国国内だけでなくASEANにも多大な影響力を持つトレンド発信地ソウルを現地取材レポート。5つのトレンドキーワードでソウルの“いま”を切り取ります。

①「マーケット+ラウンジ」コンセプトの新業態続々

ソウルの高感度な若者たちが集まるトレンドエリアは、単なるショップだけではなく、カフェや異なる体験ができるフロアを組み合わせた「マーケット+ラウンジ」コンセプトの新業態が人気となっています。これにより、商品購入が目的で訪れた人はラウンジで過ごし、またラウンジでの時間を過ごしに来た人にはついでに商品を購入してもらうという付加価値を提供することで好循環が生まれ、ブランドのファンを増やしているのです。

SKINFOOD」のビューティマルチストア

東京でいう表参道のような人気エリア・新沙洞(シンサドン)カロスキルにある、「食」をテーマにした話題のコスメブランド「SKINFOOD」のショップ。1階は通常の商品販売フロアで2階にはカフェスペース、3階には「シティファーム」という都市型農園+テラスフロアとなっています。取材時には1階の販売フロアで「柚子」にフィーチャーしたコスメ商品を推しており、その企画に連動して2階のカフェでは柚子を使ったスイーツ・ドリンクメニューを提供するなど、ショップ全体で「食品+コスメ」というブランドコンセプトが伝わりやすい効果的なブランディングを行っています。

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SKINFOODカロスキル店の外観(左)、コスメ商品や雑貨を販売する1階のショップスペース(右)

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2階のカフェスペース、取材時は柚子をテーマにしたメニューをアピール(左)、緑の中でくつろげる3階のシティファーム(右)

 

セレクトショップ「LOUIS CLUB

ハイセンスな男性向けショップ「LOUIS CLUB」の場合は、地下1階がアパレルを販売するファッションゾーン、地上1階にはスコッチウイスキーブランド「Glenfiddich」とコラボレーションしたバー/テラスカフェスペースを設置。2階はグルーミングゾーンとして男性向けスキンケア・ヘア・シェービング商品等を販売しています。

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LOUIS CLUBの外観。テラスカフェでくつろぐ男性も(左)、入口で明確にフロアを紹介。Glenfiddichのロゴも大々的にアピール(右)

 

ブックカフェや本格ドリップコーヒー店併設の業態も多数

日本でも増え始めているブックカフェ(本屋+カフェ)や、ショップにサードウェーブコーヒーのような本格的ドリップコーヒー店を併設する業態も近年のトレンドとなっています。いずれも「マーケット+ラウンジ」コンセプトと同様に、これまでの商品やサービスを提供するだけのショップから、より顧客に付加価値を提供する業態に変わりつつあります。

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大勢の人でにぎわっているブックカフェ(左)、ハイセンスなセレクトショップ「ALAND」の新業態は「BEAUTY+COFFEE」がコンセプト。コスメや雑貨を中心にそろえたショップには、「DAEROO」というコーヒーショップも入っている(右)

 

②顧客の心をつかむ売場の「Mix Zone Disign」

人気の百貨店や量販店の売場を見ていると、どのターゲットに何を届けるのかや、どのような見せ方が効果的であるかについてなど、考え抜かれた戦略と独自性に驚かされます。ここでは、広大なスペースで多種多様な商品を展開する業態の中から特徴的な「Mix Zone Design」事例を2つご紹介します。

百貨店デパ地下の洗練されたVMD

ソウルを代表する百貨店「SHINSEGAE(新世界)」と「ガレリア」のデパ地下にあるフードマーケットは洗練されており、顧客に商品を届けるための工夫、買いたくなる仕掛けが多数施されています。

  

「ARTISAN DELI」や「NATURAL BEAUTY」といった最新のグルメトレンドを表すキーワードで売場を明確に区分し、関連商品を陳列

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食材の魅力を最大限に表現するダイナミックなディスプレイにも注目

多くの食品が並ぶ売場の中でも、特にアピールしたい商品やそのコーナーを象徴するような商品を高い位置にディスプレイし、ライトアップするなど陳列方法へのこだわり・工夫が至るところで見られます。

フードマーケットの一区画には、明確に区別されたコーナーが設置されており、白衣を着た専門販売スタッフが待機しています。ここでは他の売場よりも高級・特別な商品が陳列されています。店舗の中でもさらにターゲティングを行い、顧客に特別感を与える空間を演出しているのです。

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父と子、ターゲット特化型家電量販店「ELECTRO MART

「ELECTRO MART」は父親と息子をメインターゲットにしたユニークな家電量販店。店内の至るところにアメコミ風のオリジナルキャラクターELECTRO MANがディスプレイされ、効果的に使われています(キャラクターも親子になっているのがおもしろい)。通常の家電量販店というよりも、最新のドローンやウェアラブルガジェットなど、多彩なホビー系商品を販売しており、父と子が共通して楽しめる商品を中心にフロアを構成している点がユニークです。量販店はいまや膨大な種類の家電製品を取り扱いますが、あえて特定のターゲットに特化して売場を「編集」することで差別化し、特別な魅力を創り出せることがわかります。

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店舗外観や店内には至るところにELECTRO MANが登場し、キャラクターにも自然と愛着が生まれる父と子で楽しめる顔出しパネルも設置

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1階は最新のドローンやウェアラブルガジェットなどの商品群が中心(左)、店内にはラジコンカーのレース場も設置されており、この場で楽しむことができる(中央)、家電製品に限らず、流行の最新自転車コーナーなどもあり。父と子のレジャーを意識した品揃え(右)

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店内にある「ELECTRO BAR」では、ひと休みしてアルコールを楽しむことができる。日本にはないスタイル(左)、さらに、グルーミングゾーンも設置されており、メンズコスメ販売とともに紳士向けのバーバー(理髪店)まで存在する(右)

TNCアジアトレンドラボ「エンターテインメント性重視した家電量販店「ELECTRO MART」/体験型売り場展開で男性の購買欲を刺激」

③伝統フードのモダナイズ

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2014年にソウルの中心部・鍾路(チョンノ)にオープンした「食客村(シッケッチョン)」は、大人気のグルメ漫画「食客」に登場する韓国各地の有名店を一箇所に集めたグルメスポット。その中に出店する「ROBOTキンパッ」では韓国の伝統的な海苔巻き「キンパッ」を、よりプレミアムなメニューとして提供しています。この店では使用する食材をオーガニックにしたり、野菜多め、低脂肪、ご飯少なめにアレンジすることが可能となっており、健康を意識する人にとってはうれしいメニュー展開。生わさび、クリームチーズ、ドイツソーセージなど多彩なメニューも人気の秘訣です。

TNCアジアトレンドラボ「大人気漫画「食客」の舞台 や味をリアルに再現! グルメをつかむモールの差別化戦略」

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「食客村」のエントランス

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多彩なメニュー。テイクアウトも人気

 

ArtiSee Cafe

韓国の伝統スイーツである「パッピンス」。かき氷の上にあずきやフルーツ、アイスクリームなどを盛り付けたもので、多くの店で売られています。「Artisee Cafe」のパッピンスは、アールグレイやグリーングレープなど、これまでにない風味で、泡状のクリームが使われ、上にナッツやマスカットを乗せた洗練されたテイスト。いまどきの若者向けにアップデートされています。

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nice two Meat u

韓国の伝統的な豚バラ焼肉「サムギョプサル」を、新しいスタイルで展開しているのは「nice two Meat u」。独自に開発した鉄板を使用し、重しで押さえて短時間で絶妙に焼き上げるスタイルをとり、開放的でBBQのようなムードを感じさせる店舗デザインも若者に大人気となっています。

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オープンな雰囲気が印象的な外観

 

④リノベーションで「New Cultural Platform」を創出

ソウルの新たなトレンドエリア・聖水地区では、まるでブルックリンやイーストロンドンのような光景が見られるようになってきました。キーワードは「リノベーション」。元々工場であった建物やコンテナなどを活用して、「New Cultural Platform」(新たな文化発信拠点)を創出することで、アーティストやショップが集まり、高感度な若者たちが訪れるようになっています。

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2015年に誕生した世界最大級の巨大コンテナを活用したモール「COMMON GROUND」はエリアを象徴する場所になった。イーストロンドンの「BOXPARK」のように、新人アーティストやデザイナーの小規模ショップ、カフェ等が入居。大勢の若者であふれていた

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屋外スペースにはアメリカンなフードトラックが出店(左)、店中ではDJによる生演奏が行われている(右)

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インダストリアルな空間演出、至るところにアート作品がディスプレイされている(左)、開放的な空間には観葉植物が配置されている。交流を楽しむ人や読書する人、PC作業に没頭する人など様々(右)

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付近には古い建築物の壁面に巨大なストリートアートが描かれ、ショップやカフェに生まれ変わっている。このエリア全体でジェントリフィケーション(都市の中産階級化)が進みそう

 

⑤新発想のコスメ商品が次々と登場

カタツムリクリームや毒蛇クリームなど、プチプラながら、まったく新しい発想・コンセプトの商品開発で一世を風靡してきた韓国コスメ。その韓国コスメ業界の“お家芸”ともいえる斬新なコンセプトの新商品、トレンドをご紹介します。

いつでもフレッシュなカプセルコスメ

携帯用に特化した「カプセル型コスメ」。ゴルフなどのスポーツシーンや旅行時の使用を想定して開発されています。石鹸、シャンプー、ボディーウォッシュ、ボディーローション、日焼け止め、その他スキンケア製品がカプセル状になった商品が人気を集めています。

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泡型マスクシート

フワフワの泡状マスクシート。泡の出る酵素マスクパックは以前から流行していましたが、マスクシート型で泡が出るものは初めて。卵の白身成分を配合し、まるでメレンゲのような感覚に。肌にマスクを乗せるだけという手軽さも魅力的です。

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冷蔵コスメ

高級エステ化粧品ブランド「AHC」は、17年に渡るエステノウハウを生かし、初となる冷蔵コスメ「A.H.C SIMPLE」を発表。トナー/クリームなど40種類もの商品群が発表されました。有効成分が一番浸透しやすい温度(10℃)で使用することがコンセプトであるこの化粧品は、パッケージで温度が判断できるように、温度によって色が変わる特殊包装になっているのが特徴です。

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今回取り上げたソウルの“いま”を象徴する5つのキーワード。プロダクト、サービス、業態に関わらず、欧米の最新トレンドを柔軟に取り入れ、自国向けにアレンジして迅速に展開しています。その“スピード感”は日本にはないものです。日本のメーカーやサービス業が「MADE IN JAPAN」のブランド力、機能性、品質、“本物感”を重視し、時間をかけて準備・開発している間に、韓国ではクオリティよりもスピード感を優先し、次々と新しいトレンドを発信しています。そうした動きは当然、新しいもの好きなASEAN諸国の人々のライフスタイル・価値観にもマッチし、だからこそ韓国発のカルチャーやトレンドがどんどんASEANに伝播して、存在感を高めているのです。日本が誇ってきたクオリティやオリジナリティを捨てる必要は決してないですが、韓国のトレンドに見る柔軟性やスピード感にも日本が見習うべき点があるように思います。

 

 

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CIMG9617のコピー図1

ASIA Trend Labの運営を行うマーケティングリサーチ会社のTNCでは、現地取材やトレンドウォッチャー、「Lifestyle Researcher®」を活用し、世界各国から日々さまざまな情報を収集しています。このような情報をもとに、アジアを含めた世界の潮流について、様々なテーマで勉強会を行っています。現在、多くの企業様に対してセミナーや勉強会、ワークショップなどを実施しております。勉強会の内容については事前に、企業様のニーズに合わせてカスタムすることが可能で幅広い業界・分野に対応可能となっております。

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