エンターテインメント

新たなエンタメ消費として広がるボードゲームカフェ/リアルな繋がりを重視するベトナムの若者

ベトナム
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手軽に楽しめる価格帯で利用でき、
ゲームを通して人との交流を楽しむ

若者たちの新たなエンターテイメントとして流行しているのが、射撃場「サイゴンスナイパー」での体験や、見知らぬ人同士が集まり一緒に楽しむボードゲームだ。これらのトレンドはSNSの投稿から一気に広まり、ソーシャルなつながりを求める若者たちをとらえ、新たなエンターテイメントとして注目を集めている。SNS映えする空間で射撃という非日常的な体験が楽しめるサイゴンスナイパーとは異なり、「見知らぬ人と遊ぶボードゲーム」は、人との直接的な交流や共通の趣味への共感という若者たちのニーズを満たしている。集まりの場となるのは一般的なカフェで、ドリンク代は20,000~40,000ドン(約123~247円)ほど。若者にも手軽に楽しめる価格帯であることも、このトレンドが広がった理由の一つとなっている。

ボードゲームなどのアナログな体験から
孤独感を解消する新たなツールとして利用

射撃やボードゲームの流行には、デジタルネイティブ世代の特性と都市化による生活の変化という2つの大きな要因が考えられる。デジタルデバイスに囲まれて育ったベトナムの若者たちは、SNS上で仮想的なつながりを築く一方で、現実世界でのつながりを求める傾向が強まっており、実体験を通じた共感や絆を重視する傾向がある。射撃やボードゲームといったアナログな体験は、デジタル世界では得られない実感を伴う楽しみを提供し、若者たちを引き付けている。また、急速に進む都市化により、若者たちの間では孤独感やストレスを感じやすい状況もある。その中で、人と集まって楽しむボードゲームは、コミュニティ感覚を醸成し、都市生活での孤独感を解消する手段として新たな形のコミュニケーションツールとなっている。