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2018年アジア・トレンドランキング ~タイ編~

タイ
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シゴトタビ

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国際観光収入は500億ドルを計上し、アメリカ、スペインに次ぐ第3位となり、観光大国としての地位を確立しているタイ。インターネットやSNSの利用頻度が高く、最新の情報に敏感でASEANのトレンドセッターとも言えます。経済面では4%以上の成長が見込まれており、好調です。2019年2月には現在の暫定軍事政権から民政移管に向けた総選挙も予定されている、タイのトレンドランキングを紹介します。

 

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 日本発祥ご当地アイドル「BNK48」

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2017年2月に誕生した、AKB48のタイ版姉妹グループ「BNK48」。BNK48が歌うタイ語版の『恋するフォーチュンクッキー』はYouTubeの再生回数が1億5,000万回を超え、ウボンラット王女が音楽イベントでカバーしたりと話題となった。また、2018年3~4月に開催された単独ライブのチケットは数分でソールドアウトと、ライブ集客が難しいと言われているタイで、デビュー後わずか1年にも関わらず異例の売り上げとなった。BNK48はタイの老舗豆乳ブランド「Lactasoy」のCMや大手飲料ブランド「Oishi」のイメージキャラクターなど、タイを代表する企業のアイコンにもなっている。さらにBNK48のドキュメンタリー映画『Girls Don’t Cry』が2018東京国際映画祭に出品されるなど、驚異的なスピードでスターダムにのし上がった。

トレンドの背景

日本のポップカルチャーはタイ人にとって馴染み深いもので、 BNK48が日本の一流アイドルAKB48を源流としているため注目を集めた。また、タイ人の心の拠り所である王族や政府関係者がBNK48と関わることで、若年層だけでなくポップカルチャーに馴染みのない中高年層にも普及したこともトレンドになった要因の1つとして挙げられる。
これまで支持されていた綺麗でスタイルが良くセクシーなK-POPアーティストは非現実的な存在だったのに対して、BNK48は普通の女の子が夢を実現させていくという等身大のタイ人アイドルとして人気となった。加えて、夢を実現するまでの過程がタイのテレビドラマによくあるサクセスストーリー(貧しいけど性格の良い女性が富豪に見初められて、ライバル女性との確執がありながらも成功していくような)と合致したことで支持されている。

 

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 アクティブユーザー数2,000万人「LINE TV」

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タイのモバイルユーザーの90%が動画やTVをオンラインで視聴している。その中で成功しているのが「LINE TV」だ。サービス開始後3年で2,000万ダウンロードを達成し、タイNo.1オンラインビデオプラットフォームとなっている。チャンネルはタイ大手TV局、個人事業主、音楽レーベルなど161社に拡大し、パートナー数は2016年と比較して90%増加。平均視聴時間は1日当たり176分(出典:Nielsen)、視聴するターゲット層に最適なプライムタイムにテレビドラマや娯楽コンテンツを配信し、テレビ再放送やオリジナルの人気コンテンツをすべて無料で提供することで、ユーザー数と滞在時間を長くしている。短時間動画が多いYouTubeやFacebookと比較し、LINE TVはターゲットに合ったコンテンツ、長時間動画、無料視聴の3つが人気の要因となっている。

トレンドの背景

LINE TVが人気なのは、「隙間時間を楽しく過ごせるから」という点も大きい。タイ人に人気の、日本関連コンテンツ、アニメ、タイのTVドラマ、食べ歩きなどの番組を観たい時に視聴でき、タイでは誰もが知っていて知名度とブランド力のあるLINE社が提供するコンテンツということで信頼感も持たれている。広告を出す側も、月間アクティブユーザー数がダウンロード数とほぼ同じ2,000万ということで広告効果も得られ、その結果コンテンツも充実する。

 

 生産者も支援する、食のハイパーローカル化現象

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健康志向の高まりからオーガニック食材やサラダ専門店が中間層にも広がるタイで、食のハイパーローカル化現象が起こりつつある。ハイパーローカルを日本語にすると「超地元」「超地域密着」と訳されるが、タイの食材のみを使用し、タイの文化やストーリーを提供する料理に込める飲食店が増加している。
タイ大手飲料メーカーのシンハーグループが出資するレストラン「R.HAAN」は、『Iron Chef(タイ版・料理の鉄人)』の勝者であるセレブシェフ・チュムポン氏がタイの食材のみを使用した新感覚タイ料理を提供する。バンコクの流行発信地・サイアムエリアにあるレストラン「TAAN」はタイの農家支援を目的とし、農家と提携を組み、食材を調達する。メニューには産地を記載するなど、地産地消を徹底している。また、「KAD KOKOA」というタイ産カカオのみを使用したカフェも登場している。

トレンドの背景

健康志向の高まりや自国の伝統文化を顧みる流れから食のハイパーローカル化が進んでいる。海外から物を輸入すると輸送の際のエネルギーを使用し、環境にも良くないという観点からも自国産の素材を選択し、タイ国内で食材が循環し、農家の生活を支えることにもなり、社会貢献につながる。タイには上座部仏教の考えから、弱者を救済し世の中の役に立つことを行うことで来世の徳を積む「タンブン(喜捨)」の文化があるため、タイ独自の食のハイパーローカル化とも言えそうだ。

 

 ECサイト人気により配送サービスも拡充中

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Lazada」や、2018年7月タイに上陸したシンガポール発の「Shopee」など、CtoCビジネスが活発なタイであるが、東南アジア各国でECサイトの需要が高まっている。利用者の増加に伴い、「Kerry」や「Lala Move」などの運送専門業社も増加。また、セブンイレブンは10月にバンコク、ノンタブリなど3,000店舗で配送サービス「SPEED-D」を開始、ファミリーマートもKerryと提携するなど、コンビニも配送ビジネスを開始。 ただ、運送専門のKerryと提携しているファミリーマートに対し、コンビニサービスの一環として取り入れているセブンイレブンは、コンビニ店員がレジ、All Cafe(コンビニカフェ)に加え、配送手配という新たなタスクが加わるため、店員の負担が増えることでサービスが上手く運用できるかが懸念されている。

トレンドの背景

渋滞が深刻な社会問題となっているタイでは、買い物に行くのもひと苦労。そんな中、PCやスマホで簡単に買い物ができるECサイトが人気となっている。また、特に中華系タイ人は副業や起業することが当たり前で、個人で物販をする人はInstagramやFacebook、さらにECサイトを通じて無店舗販売をすることが主流。スマホアプリ1つで買い物ができ、荷物を売り手から買い手に届けてくれるサービスは、今のタイの買い物事情にマッチし、浸透している。

 

 大手財閥が手がける大規模ショッピングモールが誕生

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2018年、バンコクに2つの新たなショッピングモールが誕生した。10月にオープンした「SINGHA COMPLEX」は、タイの大手飲料メーカー・シンハーグループの不動産部門シンハーエステートが手がける。バンコク中心部のアソーク通りの北側、旧日本大使館の跡地に建てられ、オフィス棟、プラザ棟、レジデンス棟の3つの棟にわかれている。
11月にオープンした「ICON SIAM」は、チャオプラヤ川西岸地区、老舗高級ホテル「マンダリン・オリエンタル・バンコク」の対岸に位置し、高島屋タイ1号店が入居する高級ショッピングセンター。高級ショッピングモール「Siam Paragon」を手がけるサイアム・ピワット社を中心に大手財閥のCPグループ、不動産開発会社マグノリア・クオリティ・デベロップメントの3社が共同で開発した巨大複合施設で、投資額は約540億バーツ(約1,850億円)。シリントン王女主宰の開業記念式典オープニングイベントにはアメリカの有名歌手、アリシア・キースを招待するなど、豪華絢爛なショーが話題を呼んだ。

トレンドの背景

経済成長を担う月収40,000バーツ(約12万円)前後の中間層の消費意欲が高まっている。 週末には、「目的はないけどとりあえずショッピングモールに行く」という人も少なくなく、モールに行くことが1つの娯楽として定着している。
「SINGHA COMPLEX」は館内に多数植物を配置し、公園のようにリラックスできるクッションエリアを設けている。「ICON SIAM」 はこれまであまり開発が進んでいなかったチャオプラヤ川西岸の新たなランドマークとなっており、広大な敷地では水や火のショーなども楽しむことができ、どちらのモールも買い物だけでなく「コト消費」に注力するなど、近年のバンコクのモールトレンドに沿った場となっている。


■信頼の日本ブランド&日本訴求が支持される

1位のご当地アイドルBNK48の人気は、日本のAKB48の成功が大きく寄与しており、タイで「日本」が1つのブランドとして確立していることが伺える。2位のLINE TVも、日本でも浸透しているLINEが提供する無料サービスということで信頼感もあり、成長につながっている。5位の2つのショッピングモールは、旧日本大使館の面影を残して建設されたり、髙島屋の初出店など日本が訴求の要素の1つにもなっている。

■物流エネルギー&コストカットを実現するサービス

渋滞が社会問題となっているタイでは、物流のエネルギーやコストを削減することが命題となっている。3位の食のハイパーローカル化現象は地域内で食材を調達することによりエネルギーやコストカットが実現し、さらに地元農家の経済を支えることも可能にしている。また、買い物シーンにおいては、4位のECサイトとそれに伴う配送サービスの増加が取り上げられている。消費者は店舗に足を運ぶ必要がなく、「買い物をして商品を持ち帰る」という労力を代行してくれるサービスは、渋滞解消への糸口となるのではないだろうか。

 

TNCアジアトレンドラボでは、
こうした動きを2019年も引き続きウォッチしてまいります。
他国のトレンドランキングの更新もどうぞお楽しみに。
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■調査概要調査方法:TNCアジアトレンドラボ、現地ボードメンバーを中心としたグループインタビュー、およびライフスタイル・リサーチャーによる定性調査

調査時期:2018年10~11月

調査対象者:バンコクに5年以上居住する男女、かつアッパーミドル以上の生活者、10代後半~20代前半の、トレンドに敏感な層

調査実施機関:株式会社TNC(http://www.tenace.co.jp/)および海外協力会社


■株式会社TNC

各国の高感度層で構成される現地ボードメンバーと共にグループインタビューやリサーチを定期的に行い、ウェブサイトで情報発信や分析を行う『TNCアジアトレンドラボ』を2015年8月よりサービス開始。また70カ国100地域在住600人の日本人女性ネットワーク『ライフスタイル・リサーチャー』を主軸とした海外リサーチ、マーケティング、PR業務を行う会社です。現地に精通した日本人女性が、その国に長く暮らさないとわからない文化や、数字に潜む意味をひもとき、日本人が未だ知らない斬新なモノやコトを探すインバウンズ、日本企業が進出する際のベースとなるリサーチ・アウトバウンズや、現地の人たちの暮らしぶりや生活習慣のレポートから、海外におけるヒント探し、市場レポートなど幅広く対応します。また、レポートに基づいた視察のアテンドも行っております。


■問い合わせ先

株式会社TNC TNCアジアトレンドラボ編集部 濱野・木下

TEL:03-6280-7193 FAX:03-6280-7194

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