培養肉がシンガポールの飲食業界で
存在感を増し、さらなる普及が期待
シンガポールは培養肉の商業販売が世界で初めて許可された国であり、フードテックの分野において積極的な取り組みが進められている。培養肉を提供する代表的な店舗のひとつ「Huber‘s Butchery and Bistro」では、Good Meat社が開発した培養鶏肉(3%が培養肉)を使用した料理を提供している。このビストロは精肉店「Huber’s Butchery」に併設されており、培養肉だけでなく通常の肉料理も提供している。培養鶏肉を使用したチキンケバブやチキンサラダなどのメニューは、価格が18.5シンガポールドル(約2,140円)と一般的な価格帯で、多くの人に受け入れられている。Good Meat社は「Loo’s Hainanese Curry Rice」や「Keng Eng Kee Seafood」といった地元の人気店とのコラボレーションも積極的に行ってる。培養肉がシンガポールの飲食業界で次第に存在感を増し、さらなる普及が期待されている。
培養肉や代替食品など、見本市において
シンガポールのフードテックが注目
シンガポールはフードテック分野で最先端を行く国のひとつであり、革新的な技術や製品が披露される場として東南アジア最大級の食品見本市「FHA(Food & Hotel Asia)」が注目されている。2024年のFHAでは、前年に続き代替肉や革新的な食品技術が多数紹介された。特にいま注目されているのは、Nurasa社が設立したアジア初の「フードテックイノベーションセンター(FTIC)」だ。FTICでは、代替タンパク質製品の開発や商業化を加速させるための施設と技術を提供しており、すでに地元企業と協力してプラントベース製品の生産を行っている。