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利用者数が前年比1,000%増/インドネシアで自転車が社会的な大ブーム

インドネシア
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人気は2〜5万円程度の
折り畳み自転車

自転車が、COVID-19の感染拡大以降、大ブームになっている。2020年10月現在、自転車の入手が困難になっているほどだ。「JakartaPost新聞」の2020年6月14日の記事によると、ITDP(交通開発政策研究所)が調査した結果、スディルマン通りの2020年6月11日午前6時半~8時の自転車利用者数は、2019年10月23日、11月6日と比較し、1,000%増加しているという。人気の自転車は、2~5万円程度の折り畳み自転車だ。折り畳み自転車が人気の理由は、駐輪場スペースがないマンションが多く、部屋まで自転車を持って行かなくてはいけないこと、車と併用している人が多いためだ。富裕層の間では、高級自転車も人気で、「BROMPTON」など、30万円を超えるような折り畳み自転車も街中で見かけるようになっている。車社会のインドネシアでは、自転車に適用される明確な交通ルールがなかったが、自転車の利用が増え、事故も起きていることから、インドネシア政府は今後ルールを整備する予定だ。

自転車2

健康志向・感染予防と
自転車の利点が一致

自転車は4年ほど前から、健康志向・渋滞回避の理由で、在住外国人の間で人気になっていた。そのあとトレンドに敏感なジャカルタの若者が、自転車はおしゃれだとして、ファッション的に注目していた。そのためか、自転車が社会的なブームになった現在でも、ファッション性が低いシティサイクル(ママチャリ)に乗る人は少ない。
今回の一大ブームは、健康志向の高まり、COVID-19感染予防、行動制限があっても街中へ行きやすいなど、自転車の利点とマッチした結果だといえる。また、車社会によって引き起こされた渋滞や大気汚染を解消するため、歩道や自転車専用レーンが整備され、自転車に乗りやすい環境が整備されていたことも理由と考えられている。
ジャカルタでは、日曜の午前中は、メインストリート約6Kmを歩行者天国にしており、自転車を楽しむ人が増えている。現在は休日に乗って楽しむことが一般的だが、自転車の利便性が浸透したため、今後は通勤に利用する人も増えるとみられる。

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