食・飲料

タイスキスタイルを基調にした、独自の進化をするラオス式火鍋が外食シーンで広がりを見せる

ラオス
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タイスキスタイルのレストランが
首都圏以外にも続々とオープン

ラオスでは外食シーンにおいて、Mala Hotpot(火鍋)の人気が高まっている。 2020年10月に首都のビエンチャンでオープンした火鍋レストラン「Mala Hotpot Buffet」が、2022年10月に南部のパクセーに進出すると、家族連れや若者のグループで賑わって大人気となっている。ブッフェ形式を採用しており、大人は159,000kip(約9.4ドル)、子ども(身長100~130cm)は109,000kip(約6.4ドル)と、ラオスで一般的な麺料理などが1杯20,000kip程度であることを考えると、割高な価格設定になっている。人気の理由として、本格的な”火鍋”ではなく、ラオスで人気のタイの鍋料理”タイスキ”スタイルを基調に、Malaスープ(麻辣湯)を選択肢に加えたことや、好みのタレも付けて食べるスタイルに中国風のタレを加えたことなどが挙げられる。コロナ禍が明けて以降、タイスキスタイルのHotpotを提供していた一般的なレストランでも、スープの種類にMalaスープを導入する店が増えている。

中国ラオス鉄道の開通によって
観光客対応や食文化の交流が促進

ラオスでは近年、中国からの投資が増加し、在住中国人の数も増えている。これに伴い、中国料理のレストランも増え、中国の食材を扱う店舗が増えたことで、ラオスの人々にとって中国料理が身近な存在となりつつある。例えば「ピンチン」(中国の香辛料を使った串焼き)は、安価なこともあり、ビールのおつまみや学校帰りの学生に人気となっている。また、「Mala Hotpot Buffet」は、2023年5月31日に高級路線の新店舗「Mala Hotpot Gold」を、ルアンパバンにオープンした。これは2021年12月に「中国ラオス鉄道」が開通(2023年4月13日に国際旅客列車の運行開始)以降、中国人観光客が世界遺産の街ルアンパバンに増加しており、その中国人観光客に対応してのことだと考えられる。ラオス人は元々スパイシーな食べ物が好きで、ある程度の辛さに耐えられるので、スープの味が口に合い、タイスキのタレなどで好みの味に調整できるという特性が、Mala Hotpotの人気を後押しした。タイスキスタイルのMala Hotpotを入り口として、本確的な火鍋を食べるラオス人も増えてきており、今後本格的な火鍋が浸透していく可能性もある。