アート&デザイン エコロジー

台湾若手デザイナーのアップサイクルブランドが注目を集める 

台湾
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果物の段ボールや学校の体操着から
ハイセンスな小物を作り出す

廃棄された物品をリサイクルして、カバンや文具を作り出すブランド「culture文化實驗」が注目を集めている。単にリサイクルしたものを販売するだけではなく、実用的で洗練されたデザインの商品に生まれ変わらせているところが特長的で、ゴミを芸術品にする「廃物芸術家」と台湾のマスコミでも話題になった。
小物以外にもエコ素材やリサイクル材料を使う手作りするキットなども販売している。生分解するエコ素材、洗えるクラフト紙を使った「A5水洗牛皮紙筆記本套」は、使用者が自分で裏紙やチラシなどを使って中のページを補充するノートで、2018年にドイツiFデザイン賞を受賞した。縫うことなく、ハサミ一つでTシャツがトートバッグになるキット「免縫紉舊衣變包輕鬆套」とともに2018年台湾「ゴールデン・ピン・デザインアワード」も受賞している。そのほかワークショップなども行い、売り上げの5%を台湾環境インフォメーション協会に寄付している。
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生活や文化の痕跡を残した
デザインに支持が広がる

2014年の統一地方選挙期間に設立したブランド「culture文化實驗」は、選挙期間が過ぎたら大量のゴミとなる帆布ポスターをカバンにするところから始まった。当時は現在ほど環境保護に対する意識が高くなかったため、選挙のゴミから作られたカバンにはあまり注目が集まらなかったが、台湾の生活文化の痕跡を残し、価値と意義を新たに探求するデザインが次第に注目され、デザインを通してゴミを黄金に変えると評されるようになった。
台湾では2018年からレジ袋の使用減量規制を強化し、2030年にはストローやカップなど使い捨てプラスチック製品を全面使用禁止にする予定である。そのような流れから、廃棄物に付加価値を与えるアップサイクルへの取り組みも若手のデザイナーを中心に盛んになっているといえる。アーテイストのみならず、政府、企業も積極的にSDGsに取り組んでおり、SDGsに取り組む政府、企業等を表彰する「Catalyst 2030 Awards」でも台湾は「国家・政府賞」を受賞した。

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