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ムーテールー×マーケテイングの「ムーケティング」が話題!?スピリチュアルなタイのZ世代

タイ
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ムーテールーの流行に合わせた
企業のキャンペーンも話題に!

宗教への信仰心を含め、占いやパワースポット巡り、風水といったスピリチュアルな活動はタイ語で「ムーテールー(มูเตลู)」と呼ばれ、タイでは生活の中で実践する人が多い傾向にある。テクノロジー世代であるZ世代の間でもムーテールーはトレンドになっており、近年ではムーテールーの流行に合わせたマーケティング、「ムーケティング(Muketing)」が注目されている。2023年12月、「Café Amazon」は星座別全12色の「MAGICAL CUP」無料配布キャンペーンを実施。

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通信会社大手のAISでは2023年11月から2024年1月にかけて「吉兆通信パッケージ」を販売し、購入者には運気アップの携帯用壁紙を配布するキャンペーンを行った。こうした運気アップ携帯用壁紙は、現代のムーテールー活動を象徴するアイテムになっている。このきっかけは、ムーテールーサービス事業者の「Mootae World」がコロナ禍の2021年7月に、Facebookで運気アップ壁紙を無料配布したところ、1~2日で3~4万回シェアされて話題になったのが始まり。

このほか、アクセサリーブランド「RAVIPA」では、お守りブレスレット(1,890バーツ~)を販売。財運や恋愛運など願い事別に守り神のチャームが付いており、重ね付けしてもおしゃれ。ファッションに馴染み目立ち過ぎない、程よいムーテールー感で女性に人気だ。また、ラッキーカラーもムーテールー活動の1つ。自分の誕生日の曜日に基づくカラーの財布や、曜日と願い事別に定められたカラーのファッションを身に着けて楽しむ。ラッキーカラーは毎年著名な占い師が発表し、メディアで取り上げられる。

Z世代の間ではライフスタイルに合わせ、
気軽に楽しめるムーテールーが人気

タイでは古くから信仰心が強く、寺院を参拝したり布施を行ったりするほか、スピリチュアルな事象を信じる人が多い。人生の節目には占い師を訪れることも一般的だ。コロナ禍で経済・社会の不確実性が高まり、占いやラッキーアイテムに頼る傾向が見られ、さらに若者にも広がっている。アサンプション大学の世論調査(2023年11~12月に実施)によると、調査対象者の大学生950人のうち73.2%がムーテールー実践者だった。Hakuhodo International Thailandは、世代別のムーテールーの実態をまとめた「MY GEN MY MU」を発表した。調査対象者(1,200人超)のうち88%がムーテールーを信じると答え、52%がムーテールーを心の拠り所としていると回答している。特にZ世代は、寺院参拝や布施といった伝統的な活動を行う前世代に比べ、ファッションや生活スタイルに合わせ、見た目がおしゃれで友人と楽しめるムーテールーを実践しているという。