アルコール被害防止法施行にともない
ノンアルコールビールに注目が集まる
ベトナムでは以前から輸入のノンアルコールビールはあったが、価格が国産のビールに比べて高く、あまり流通していなかった。2014年に「サイゴンビンタイビール」よりベトナムで初となるアルコール0.5%のノンアルコールビールが350ml14,000vnd(約55円)で発売されたが、認知度や知名度も低く、スーパーやコンビニで見かけることも少なかった。
しかし2020年1月に飲酒運転や職務前、職務中の飲酒に対して厳しい罰則を設け、ゴールデンタイムのアルコール飲料のCMも禁止する「アルコール被害防止法」が施行されると、ノンアルコールビールに注目が集まるようになった。2020年には、ハイネケンから「ハイネケン0.0」(1本18,000vnd/約90円)、サントリーペプシコから「オールフリー」(6本パック69,000vnd/350円)などのノンアルコールビールが発売され、レストランやコンビニ、スーパーなどで手軽に購入できるようになった。海外のノンアルコールビールも増えており、ノンアルコールビールの選択肢が増えている。
ビールに比べて低カロリー
健康上の問題も少ないことが魅力
世界的にビール離れが進む中、ベトナムでは2019年までは製造量、消費量ともに右肩上がりで伸び続けていた。そんなベトナムでも、アルコール被害防止法が施行されると、ビールの消費量が低下した。ビールをはじめとしたアルコール飲料の規制が厳しくなったことを受け、ノンアルコールビールへの注目と需要が必然的に高まったといえるだろう。ノンアルコールビールは、場面を選ばず飲めるだけではなく、ビールに比べカロリーが低いことや、健康上の問題がないことを各社が売りにしており、今後さらに売り上げが伸びると予想されている。